奇想の天才絵師 河鍋暁斎
@川崎浮世絵ギャラリー
久しぶりに浮世絵を観てきました。
錦絵(多色摺りの木版画)を中心に、風刺がきいた作品から川崎にちなんだ作品まで、幅広い作品が展示されていました。
特に気に入った・気になった作品は以下の通りです。
1, 風流蛙大合戦之図
風刺画。
徳川幕府による長州征伐を描いた作品。
2, 不可和合戦之図
風刺画。
玉をこめているカエルがかわいい。
3, 狂斎百狂 どふけ百万編
幕末を描いた風刺画。
タコ→骨のない徳川幕府
鯱姿の人→名古屋の尾張公
頭に蝶をのせた人→長州
炎につつまれている人→井伊直弼か?
4, 浮世絵大津之連中酔眠の図
風刺画。
鐘の上の男→長州
弁慶→薩摩
5, 海上安全万代寿
家茂が乗った幕府所有の蒸気船・順動丸が描かれている。
千代田稲荷の神や使いの狐がいる。
波が美しい。
19,東海道五拾三駅 名画之書分 神奈川 川崎
髪〜髭の白色部分の空摺が美しい。
摺りのデコボコを感じられるところが、生の浮世絵の良さだと思う。
役者絵→三代歌川豊国(79歳)
風景→河鍋暁斎(33歳)
が担当。
21,十二ヵ月之内 五月 MAY
一般的な鍾馗図は悪を退治する正義の味方として鍾馗が描かれているが、暁斎の鍾馗図は平穏な鬼の日常を壊しにやって来た鍾馗が描かれることが多いとのこと。
24,新板 大黒天福引之図
大黒天の使いである鼠が宝引きをしている。
一等常が酒樽なのが暁斎らしくてほっこりする。
構図がかっこいい……!
49,暁斎楽画第一号
地獄にも訪れた文明開化。
50,暁斎楽画第四号
文明開化の極楽。
画面を横切るように電線が描かれている。
電信柱になっているのは、閻魔の情報係である「見る目嗅ぐ鼻」。
閻魔の代わりに阿弥陀如来が地獄の鬼たちを裁いている。
画面下では鬼たちが働いている。
54,暁斎楽画第十号
「しんぼふ」と書かれた上には「心」の文字。
「しんぼう」に繋がれた人々は笑顔もなく働いている。
「しんぼう」から解放された人々は享楽に明け暮れている。
58,『暁斎画談』外篇巻之上下内篇巻之上下
装丁がかっこ良すぎる。
動物も人間も、全ての生き物たちが生き生きとしていて、まるで動き出しそうなほど。
生命力と躍動感のあるところが、暁斎の絵の好きなところだなぁと思いました。
また、チケット売り場にて、『月百姿』展の図録が売っていたので購入しました。
以前観に行った際、図録が発売されているのを知らず買いそびれてしまっていたので、購入できて良かったです。