【考察】GHQと京都刀剣/さよのすけ 様
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昭和二十年十一月。
敗戦後間もない京都で、進駐軍から京都府に、ある要求がつきつけられた。
「京都市内の美術的刀剣すべてを提出せよ」
対象刀剣には、髭切・膝丸・宗三左文字・骨喰藤四郎・陸奥守吉行らも含まれた。
だが、京都の人々は、必死の抵抗を始める。
また、戦時中に、宗三左文字・骨喰藤四郎・膝丸が、疎開先で一緒だったことも判明。
行政資料から明らかになった、戦中戦後の京都刀剣の動き。そして、刀剣を守るための静かで熱い戦いの記録をまとめた一冊。
GHQの武器回収の全体像も把握できる。
(裏表紙より)
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《目次》
※こちらの本の紹介、及び表紙・目次の写真の掲載は、作者様に許可をいただいております。
戦後、日本ではGHQによって、民間の武器回収が行われました。
この武器回収では、銃火器だけではなく、日本刀も対象となりました。
刀剣は武器ではありますが、家宝として大切にされているものや、寺社や博物館が所有しているものもあります。
GHQからの命令では、美術品である刀剣は回収されないことにはなったのですが、刀剣保持許可証をめぐり、様々な困難やトラブルがありました。
こちらの本では、刀剣を守るために多くの人々が力を尽くしてくれたことが分かります。
資料も添えてくださっており、言い回しも分かりやすく、初心者の私でも読み進めることができました。
一部、ゲーム『刀剣乱舞』をもとにした話も含まれますが、ゲームを知らない方でも、当時の武器回収や刀剣について知ることができるのでオススメです。
私はずっとGHQと刀剣回収について知りたいと思っていたのですが、手が回らずそのままになっていました。
そんな時、つい先日こちらの本を知り、すぐさま購入することに決めました。
「一度進駐軍に渡れば、刀剣が失われかねない」という強い恐れの中で、こんなにも必死に刀剣を守ろうとしてくれた人たちがいたことが嬉しく、とても有り難くて、少し泣きながら読みました。
そして、戻って来なかった刀剣たちについても思いを馳せ、切なく哀しい気持ちにもなりました。
うっすらとは聞いていたものの、こうやって事実や資料を追っていくと生々しく、当時の様子を想像すると苦しくなります。
戦争が終わったばかりで、自分たちが食べる物すら満足に得ることができなかった時期に、刀剣のために駆け回るのは想像を絶する大変さだったのでしょう。
また、人間と同じように刀剣たちも疎開していたことを、こちらの本で初めて知りました。
空襲から逃れるための必死さが伝わってきます。
あの時必死に動いてくれた人々がいるおかげで、現代の私たちは美術館や博物館で数々の名刀を見ることができています。
それを忘れないようにしようと思いました。
こんなにも詳しく調べられるのは大変だったかと思います。
きっと私では、行政資料などの深いところまでは調べることができませんでした。
貴重な知識をこうしてまとめて本にしてくださったこと、とても有り難く思います。
気になる方は是非、お手に取ってみてください。